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路線概観
下越急行電鉄は2020年現在下記の3路線を運行しています。
路線名 | 路線記号 | 起点駅 | 終点駅 | キロ | 駅数 |
村上線 | M | 新潟古町 | 村上市 | 57.1 | 31 |
阿賀野線 | A | 沼垂 | 猿和田 | 31.9 | 18 |
空港線 | K | 県立大学 | 新潟空港 | 4.1 | 4 |
計 | 93.1 | 51 |
村上線
複線区間 | 新潟古町-聖籠・菅田-金屋 |
単線区間 | 聖籠-菅田・金屋-村上市 |
地下区間 | 新潟古町-沼垂 約2.3km |
最高速度 | 全区間100km/h (特急・快速・普通) |
電化方式 | 直流1500V 架空電車線方式 |
軌間 | 1067mm |
村上線は、新潟市中心部の新潟古町駅から県北の中心都市である村上市駅までを結ぶ57.1㎞の路線です。
主な経由地は木崎・聖籠・紫雲寺・築地・岩船といった旧来からの街道沿い(現在の県道3号に相当)の集落で、並行するJR線よりも平均して3㎞程度海側を走っています。
地方私鉄としては珍しく20㎞以上にわたるまとまった複線区間をもち、競合他社にはない「頻発ダイヤが可能」という強みを持っています。実際阿賀野線や空港線の各列車が乗り入れる沼垂駅→新潟古町駅間では片道最大13本(沼垂発8時台)が確保され、新潟都市圏の近郊輸送を支えています。
かえでん3路線では最も長い距離を走る路線であり、末端区間にある瀬波温泉や村上市内の観光地への輸送目的として、特急ゆうなぎ号が多数運行されています。特急列車はリクライニングシートを備えた専用車両が用いられており、ラッシュ時には停車駅を増やした上で通勤通学にも使えるように工夫されたダイヤが組まれています。
阿賀野線
複線区間 | 沼垂-横越 |
単線区間 | 横越-猿和田 |
地下区間 | なし |
最高速度 | 沼垂-水原中央:90km/h 水原中央-猿和田:85km/h (快速・普通) |
電化方式 | 直流1500V 架空電車線方式 |
軌間 | 1067mm |
阿賀野線は、村上線との接続駅である沼垂駅から五泉市の猿和田駅を結ぶ31.9㎞の路線です。起点は沼垂駅ですが、沼垂駅を通る全列車が村上線の新潟古町駅まで乗り入れ運行されています。
主な経由地として、亀田・横越・阿賀野市水原・阿賀野市安田が挙げられ、これは現在の国道49号にほぼ並行していると言えます。
もともとは終点の猿和田駅から先、城下町である村松までの延伸を見込んでいましたが、諸般の事情により猿和田駅以遠は計画のみで着工に至りませんでした。現在猿和田駅―村松間は電車に接続するフィーダーバスが運行され、鉄路での延伸が果たせなかった五泉市村松の需要も取り込めるよう工夫されています。
空港線
複線区間 | なし |
単線区間 | 全区間 |
地下区間 | えちご下山-新潟空港 約0.7km |
最高速度 | 全区間90km/h (特急・普通) |
電化方式 | 直流1500V 架空電車線方式 |
軌間 | 1067mm |
空港線は、村上線との接続駅である県立大学駅から新潟空港駅を結ぶ4.1kmの路線です。かえでん3路線の中では最も歴史が浅く、新潟空港の新ターミナルの完成に合わせ1996年に全通しました。比較的新しい路線のため駅名もひらがなやカタカナが多用されています。これは沿線住民に、より親しみを持って迎えてほしいという願いが込められているためだということです。
本路線のメイン輸送は路線名の通り新潟空港利用者ではありますが、あがのテクニカルパーク駅付近の企業への通勤輸送や、フィーダーバス接続による松浜・太夫浜エリアの通勤通学輸送なども一定数を占めているため、終日にわたって片道毎時2本程度の列車本数が確保されています。
全線にわたり建設費回収のための加算運賃が設定されており、新潟空港駅発着の場合120円、えちご下山駅とあがのテクニカルパーク駅発着の場合50円が通常運賃に加算され、競合する路線バスなどに対し運賃面で劣勢に立たされています。