かえでんは百貨店を経営している設定であり、その存在なしに歴史を語ることはできません。一方で、現実の新潟市内にはすでにいくつかの百貨店・商業施設が存在している(していた)ため、整合性を取るために一部史実から設定を改変しています。ここでは、社史の中でも百貨店および古町地区への延伸に焦点を絞ってご紹介します。

新潟市内の商業施設

ラフォーレ原宿が撤退していないことになっている
中央区役所がNEXT21ではなく古町ルフルに入居している
という点が史実改変の主なポイントです。

赤字・取消線は史実と異なる点

  • 万代エリア
    • 新潟伊勢丹 1984-
    • LoveLa万代 2008-
    • ダイエー新潟店 1973-2005
    • 下越百貨店 1925-1993
  • 古町エリア
    • 新潟大和 1937―2010  (跡地:古町ルフル 2020-)
    • 新潟三越 1937-2020  (1956年現在地に開店 1980年小林百貨店から母体変更)
    • NEXT21  1994- (ラフォーレ原宿 1994-2016 下越百貨店 1994- 中央区役所 2017-)
    • 西堀ローサ 1976-
    • 古町ルフル 2020- (新潟市役所ふるまち庁舎・中央区役所)

路線の歴史ー下越百貨店移転前

かつてかえでんのターミナルは、信濃川右岸の万代エリア、現在の流作場五差路付近にあった萬代橋駅でした。頭端式3面4線のホームと5階建ての駅ビルを有し、日本海側私鉄屈指の規模を誇っていました。しかし、高度経済成長期ごろまでの新潟の中心地と言えば信濃川対岸の古町エリアであったため、かえでんは将来的に古町エリアへの乗り入れを目指していました

1964年の新潟地震からの復興後、万代エリアに相次いで百貨店や大規模店舗が建設されていき、万代エリアの商業的地位が上昇しました。萬代橋駅隣接の下越百貨店の売り上げも右肩上がりではありましたが、このころになると老朽化が目立ち競合他社に対して見劣りするようになり、駅ビルや駅そのものの改築や建て替えなどが検討され始めました。同時に古町エリアの商業的地位は相対的に低下し始めたといえ、県や市によって、古町エリアの公共交通機関の再編も含めた再開発計画が策定されました。この中には古町―万代のかえでん延伸と新潟市役所の郊外移転が含まれていました。古町エリアの魅力が薄れ始めたころではありましたが、こうして悲願の古町延伸が現実のものとなりました。

かえでんは、古町―万代の地下線延伸によってターミナルが古町に移ることから、老朽化の激しい萬代橋駅と下越百貨店を放棄、取り壊しすることを決め、延伸先の古町エリアに新しい下越百貨店を設けることにしました。移転先となったのが、当時再開発ビルの構想があった新潟市役所跡地、つまり現在のNEXT21でした。

1980年代後半から路線の延伸工事に取り掛かり始め、萬代橋駅直結の旧百貨店はバブル崩壊後の1993年に惜しまれながらも閉店しました。翌年1994年には東万代以西の地下新線が完成し、萬代橋駅の廃止(新潟万代駅に改称の上地下化)と新潟古町駅への延伸開業が達成されました。延伸と同時に新百貨店が開店し、新潟古町駅から西堀ローサ(地下街)を介して直結されることとなりました。

路線の歴史ー下越百貨店移転後

かえでんの新潟古町駅延伸に伴い、ターミナルが古町エリアに設置されました。広域から乗り換えなしで古町エリアへ出かけられる効果は大きく、商業的地位の低下にも歯止めがかかったといえます。至近距離に3つの百貨店(下越百貨店・新潟大和・新潟三越)がひしめき合い、決して多いとはいえない客数を奪い合う事態に陥ることとなりました。

NEXT21には下越百貨店とフロアを共用する形でラフォーレ原宿・新潟が入居しています。1994年の開業と同時にラフォーレ原宿が若年層を、下越百貨店が中~高年層をメインターゲットに設定し、両社共同の上、家族で楽しめる商業施設として営業戦略を取りました。再開発ビルの目新しさと、老若男女問わず訪れることができるスポットになり得たことが功を奏し、下越百貨店は競合2店に対し優位に立つことができました

2008年に万代エリアにLovela万代が開業したころから再び古町エリア全体の商業的地位は低下し始め、そこに追い打ちをかけるようにリーマンショックの影響が重なり、新潟大和は2010年に惜しまれながら閉店しました。さらに新潟三越も後を追うように2020年に閉店し、ついに古町エリアにある百貨店は下越百貨店1店のみとなってしまいました。

他の百貨店が撤退した後の古町エリアにかつてほどの賑わいはなくなってしまいましたが、現在も新たな賑わい創出に向けて再開発が進行しています。2020年には新潟大和の跡地に古町ルフルが開業し、新潟市役所の一部庁舎と中央区役所が入居する予定です。かつて新潟市役所があったころと同様、商業の中心かつ行政の中心として古町エリアの位置づけがなされることが期待されています。

営業情報

  • フロア  地下1階―地上5階
  • 営業時間 10:00-20:00(レストラン街は22:00まで)
  • 休業日  年末年始(店舗ごとに一部定休日あり)

NEXT21内の店舗(下越百貨店・ラフォーレ原宿)で一定額以上の購入で、「古町万代おかいものきっぷ・おかいものチャージ」を利用可能。百貨店や系列店での購買促進につなげています。

(執筆:作者N)